(1)立憲主義の展開
(a)近代以前
古典・古代ギリシャにおいて、すでに、政治権力をいくつかに分割し、それらの相互的な牽制によって権力の濫用を防止しようとする様々な試みがなされており、これらを古典的立憲主義と呼ぶことができる。しかし、古典的立憲主義は、中世における封建体制下において、また近代絶対主義国家における君主の圧倒的な支配の前に後退を余儀なくされた。
(b)市民革命期
市民階級の経済活動面における絶対君主制に対する不満と共に、ルネッサンス運動期に熟成された個としての自覚を媒介とする個人の自由という基本観念のもとに、国民の・自由権利と、そのための権力の公正と行使のあり方を、正式な文書において確認するという考え方が産まれた。すなわち、近代市民革命は、国家に対して個人の自由の領域の存在を設定し、国家はかかる私的領域の確保のためにこそ存在理由があり、したがって国家の活動もそのような目的のためのものに限定されると捉えるところに本質を持ち、そのための具体的方策として憲法の意義が明確に自覚されたのである。
(c)自由国家の時代(19世紀)~近代立憲主義の確立過程
立憲主義の思想は、近代市民革命を経て、19世紀の「自由国家」の下、近代憲法に実体化された。
自由・平等な個人の競争を通じて調和が実現されると考えられ、個人の自由意思に基づく経済活動が広く容認されていた。
権力を独占する強大な国家は、経済的干渉も政治的干渉も行わずに、社会の最小限度の秩序の維持と治安の確保という警察的任務のみを行うものとされた(その意味で、自由国家・消極国家・夜警国家などと呼ばれる)。
その確率過程は各国によって違いがあるが、イギリス、フランスは議会中心主義に対してアメリカでは議会に対する不信から厳格な権力分立の形で確立して行った。他方、ドイツや日本では19世紀後半になり上からの近代化の一環として憲法が制定され外見的立憲主義が展開した。
(d)自由国家から社会国家へ~近代立憲主義の現代的危機と現代立憲主義
自由国家を支える自由放任の論理は、資本主義の高度化に伴って、大きな矛盾を露呈した。すなわち、カーの「新しい社会」はその矛盾を、
①世襲的な利益によって新しい支配階級が創出され、各個人が平等の条件で平等にスタートする社会という観念が崩壊したこと、
②自由競争が存在しなくなり、競争し合う個人の代わりに独占的グループが登場したこと、であると説いている。
その結果、貧富の差が著しくなり、憲法の保障する自由が、社会的経済的弱者にとっては、貧乏の自由・空腹の自由でしかなくなった。そこで、このような状況を克服するため、国家が、従来市民の自由にゆだねられていた市民生活の領域に一定の限度まで積極的に介入し、社会的・経済的弱者の救済に向けて努力しなければならなくなった。こうして、19世紀の自由国家は、国家的な干渉と計画とを必要とする社会国家(積極国家ないし福祉国家とも呼ばれる)へと変貌することになり、行政権の役割が飛躍的に増大した。ドイツのワイマール憲法(1919年)はこの状況に対応して社会権を保障した最初の憲法であったが、社会矛盾の解決には不十分であった。そこでドイツは議会制の機能不全、社会的弱者の不満からナチズムの台頭を許してしまった。ドイツや日本における全体主義の台頭は近代立憲主義の現代的危機であった。ドイツや日本では近代立憲主義の思想的基盤が弱かったため全体主義を許してしまったと言えよう。なお、第二次大戦後の現代立憲主義の時代においては、各国とも社会国家、行政権の拡大により資本主義の矛盾を解決していった。また議会制の修復・維持が図れれている。
<社会国家・福祉国家>
社会国家(ドイツで用いられる)・福祉国家(イギリスで用いられる)の内容は必ずしも明確ではないが、およそ、国家が国民の福祉の増進を図ることを使命として、社会保障制度を整備し、完全雇用政策をはじめとする各種の経済政策を推進する国家である。
龍田修造のED改善「EDリカバー」
矢口忠利の脂肪肝・無呼吸症候群改善法
坂本七郎「サクラサク高校受験勉強法」
2011年2月17日木曜日
2011年2月16日水曜日
1-5 立憲主義と法の支配
1 法の支配
(1) 法の支配の意義
・専断的な国家権力の支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理。中世の法優位の思想から生まれ、英米法の根幹として発展してきた基本原理である。
・「国王は何人の下にもあるべきではない。しかし、神と法の下にあるべきである」(ブラクトン)
<法の支配として重要なもの>
① 憲法の最高法規性の観念
② 権力によって犯されない個人の人権
③ 法の内容・手続きの公正を要求する適正手続き(dueprocess of law)
④権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重
→アメリカ型の場合は特に違憲審査制
(2) 「法治主義との比較」
「法の支配」の原理と類似するものに、戦前のドイツの「法治主義」ないし「法治国家」の観念がある。この観念は、法によって権力を制限しようという点では、「法の支配」の原理と同じ原理を有する。
もっとも、戦後のドイツでも、ナチズムに対する反省から、法律の内容の正当性を要求し、不当な内容の法律を憲法に照らして排除するという違憲審査制が採用されるに至っているため(形式的法治国家から実質的法治国家への移行)、現在の法治主義は英米法に言う「法の支配」の原理とほぼ同じ意味をもつようになっている。
<ワイマール憲法について>
1 ワイマール憲法の成立
1914年に始まった第一次世界大戦は1918年にドイツが降伏して終了する。1917年にはロシア革命が起こり、ソビエトという社会主義国が成立していた。マルクスの母国であるドイツも社会主義に進むか、これを阻止するかが重要問題であった。結局、1919年8月14日、ドイツは国民主義と自由主義を掲げ、かつ、一連の社会歴条項(社会権と社会国家的公共の福祉)を採用したワイマール憲法を制定して、資本主義の枠内での社会国家化を目指した。
2 ワイマール憲法の崩壊
ヴェルサイユ条約の下でワイマール憲法は敗戦と外国の圧力によって押し付けられた屈辱的なものとして攻撃され、1929年に端を欲する世界恐慌の中でナチズム台頭の独裁を許してしまい崩壊して行った。
経済の壊滅的混乱と失業者の増大の中で1930年議会の選挙が行われ、共産党は54議席から77議席に、ナチスは12議席から107議席に飛躍し、1932年の解散総選挙ではナチスは230議席で第一党となる。ヒンデンブルク大統領のもとで短命な弱体内閣が入れ替わって政権を担当していたが議会そのものが立法機能を果たすことができなくなって、1930年以来大統領の緊急命令による立法が常態化していたが、1933年に大統領はヒトラーを首相に任命した。ナチスはこうしてワイマール憲法の手続きにしたがって政権に就いたのである。その後、ヒトラーは1933年にはいわゆる授権法(民族およびライヒの困難を除去するための法律)が制定され、この法律は文字通りライヒ政府に法律制定の権限を与えるためのものであった。ここにワイマール議会制民主主義は崩壊した。
3 ワイマール議会制の崩壊
(1)制度的要因
① 完全比例代表制
これにより小政党の議会への登場が容易になり、共産党及びナチスと言う左右両極の政党の議会進出を可能にしてしまった。また、小党分立により議会が審議討論による立法機能を果たすことができなくなった。
② 大統領の強大な権限
大統領の直接公選制の下で大統領は首相任免権や緊急命令などの強い権限を持ち、議会制民主主義を崩壊させていった。
③ 憲法の敵にも自由を与える徹底した自由主義
憲法に反対する自由を与え、憲法と議会制を徹底的に攻撃することを可能にしてしまった。
★カール・シュミットとハンス・ケルゼンの論争
シュミットは徹底した議会制民主主義否定論者であった。議会制は民主主義と相反する制度であり、真の民主主義は、国民の歓喜と拍手喝采すなわちアクラマチオ(acclamatio)によって担われる独裁であることでナチスを擁護した。
これに対してケルゼンは現代の議会制は民主主義と不可分に結びつくとし、徹底的な議会制民主主義者擁護論者として憲法を守ろうとした。ケルゼンによれば議会制は自明の真理が発言すべき場ではなく、諸利害の妥協調整のための社会技術的制度なのである。根底には価値相対主義的な世界観がある。
(2) 現実社会的要因
①ドイツでは立憲主義の確立期を経ないで外見的立憲主義であったため、議会制民主主義が定着していなかった。そこへ共産党とナチスの両方から攻撃されてしまった。
②ビスマルク憲法下での法実証主義の思想の影響で、「法律でもお菓子得ない人権」の観念が根付いてなかった。
4 ワイマール憲法体制化への反省からのボン基本法の特徴
(1)比例代表制に対する歯止めとして5%条項
(2)大統領の権限の名目化
(3)憲法忠誠の思想(憲法に反対する自由を認めない)
本部千博 驚異の視力回復法
黒谷ゆかりの超自然豊胸・バストアップ術
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(1) 法の支配の意義
・専断的な国家権力の支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理。中世の法優位の思想から生まれ、英米法の根幹として発展してきた基本原理である。
・「国王は何人の下にもあるべきではない。しかし、神と法の下にあるべきである」(ブラクトン)
<法の支配として重要なもの>
① 憲法の最高法規性の観念
② 権力によって犯されない個人の人権
③ 法の内容・手続きの公正を要求する適正手続き(dueprocess of law)
④権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重
→アメリカ型の場合は特に違憲審査制
(2) 「法治主義との比較」
「法の支配」の原理と類似するものに、戦前のドイツの「法治主義」ないし「法治国家」の観念がある。この観念は、法によって権力を制限しようという点では、「法の支配」の原理と同じ原理を有する。
もっとも、戦後のドイツでも、ナチズムに対する反省から、法律の内容の正当性を要求し、不当な内容の法律を憲法に照らして排除するという違憲審査制が採用されるに至っているため(形式的法治国家から実質的法治国家への移行)、現在の法治主義は英米法に言う「法の支配」の原理とほぼ同じ意味をもつようになっている。
<ワイマール憲法について>
1 ワイマール憲法の成立
1914年に始まった第一次世界大戦は1918年にドイツが降伏して終了する。1917年にはロシア革命が起こり、ソビエトという社会主義国が成立していた。マルクスの母国であるドイツも社会主義に進むか、これを阻止するかが重要問題であった。結局、1919年8月14日、ドイツは国民主義と自由主義を掲げ、かつ、一連の社会歴条項(社会権と社会国家的公共の福祉)を採用したワイマール憲法を制定して、資本主義の枠内での社会国家化を目指した。
2 ワイマール憲法の崩壊
ヴェルサイユ条約の下でワイマール憲法は敗戦と外国の圧力によって押し付けられた屈辱的なものとして攻撃され、1929年に端を欲する世界恐慌の中でナチズム台頭の独裁を許してしまい崩壊して行った。
経済の壊滅的混乱と失業者の増大の中で1930年議会の選挙が行われ、共産党は54議席から77議席に、ナチスは12議席から107議席に飛躍し、1932年の解散総選挙ではナチスは230議席で第一党となる。ヒンデンブルク大統領のもとで短命な弱体内閣が入れ替わって政権を担当していたが議会そのものが立法機能を果たすことができなくなって、1930年以来大統領の緊急命令による立法が常態化していたが、1933年に大統領はヒトラーを首相に任命した。ナチスはこうしてワイマール憲法の手続きにしたがって政権に就いたのである。その後、ヒトラーは1933年にはいわゆる授権法(民族およびライヒの困難を除去するための法律)が制定され、この法律は文字通りライヒ政府に法律制定の権限を与えるためのものであった。ここにワイマール議会制民主主義は崩壊した。
3 ワイマール議会制の崩壊
(1)制度的要因
① 完全比例代表制
これにより小政党の議会への登場が容易になり、共産党及びナチスと言う左右両極の政党の議会進出を可能にしてしまった。また、小党分立により議会が審議討論による立法機能を果たすことができなくなった。
② 大統領の強大な権限
大統領の直接公選制の下で大統領は首相任免権や緊急命令などの強い権限を持ち、議会制民主主義を崩壊させていった。
③ 憲法の敵にも自由を与える徹底した自由主義
憲法に反対する自由を与え、憲法と議会制を徹底的に攻撃することを可能にしてしまった。
★カール・シュミットとハンス・ケルゼンの論争
シュミットは徹底した議会制民主主義否定論者であった。議会制は民主主義と相反する制度であり、真の民主主義は、国民の歓喜と拍手喝采すなわちアクラマチオ(acclamatio)によって担われる独裁であることでナチスを擁護した。
これに対してケルゼンは現代の議会制は民主主義と不可分に結びつくとし、徹底的な議会制民主主義者擁護論者として憲法を守ろうとした。ケルゼンによれば議会制は自明の真理が発言すべき場ではなく、諸利害の妥協調整のための社会技術的制度なのである。根底には価値相対主義的な世界観がある。
(2) 現実社会的要因
①ドイツでは立憲主義の確立期を経ないで外見的立憲主義であったため、議会制民主主義が定着していなかった。そこへ共産党とナチスの両方から攻撃されてしまった。
②ビスマルク憲法下での法実証主義の思想の影響で、「法律でもお菓子得ない人権」の観念が根付いてなかった。
4 ワイマール憲法体制化への反省からのボン基本法の特徴
(1)比例代表制に対する歯止めとして5%条項
(2)大統領の権限の名目化
(3)憲法忠誠の思想(憲法に反対する自由を認めない)
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2011年2月14日月曜日
3 最高法規性
97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であってこれらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
98条1項 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない。
98条2項 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
(1)形式的最高法規性(98条)
(a)意義
・形式的効力の点で憲法が、国法秩序において最高位にあること。硬性憲法であることから理論上当然に派生する。
(b)国法秩序の段階構造
・国法秩序は、形式的効力の点で、憲法→法律→命令(政令、府省令等)→処分(判決を含む)という順序で、段階構造をなしていると解されている。この構造は、動態的には上位の方は下位の法によって具体化され、静態的には、下位の法は上位の法に有効性の根拠を持つ関係として説明される(ケルゼンの法段階説)。具体的には、上位の法に抵触する内容の下位の法の効力は否定される。
(2)実質敵最高法規性(97条)
・最高法規としての憲法の本質は、憲法が実質的に法律と異なる点に求められる。つまり、憲法が最高法規であるのは、その内容が、人間の権利・自由をあらゆる国家権力から不可侵のものとして保障する規範を中心として構成されているからである。これは、
①「自由の基礎法」であることが憲法の最高法規性の実質的根拠であること、
②この「実質的最高法規性」は、形式的最高法規性の基礎をなし、憲法の最高法規性を真に支えるものであること、を意味する。
・97条は、硬性憲法の建前(96条)、憲法の形式的最高法規性(98条)の実質的な根拠を明らかにした規定である。
(3)憲法規範の価値序列
憲法の実質的最高法規性を重視する立場は、憲法規範を一つの価値秩序と捉え、「個人の尊重の原理」とそれに基づく人権の体系を憲法の根本規範と考えることになる。したがって、憲法規範の価値序列を当然に認めることになる。
福辻鋭記のO脚矯正マニュアル
続木和子式生理痛改善パーフェクトプログラム
Mr.3日坊主の育毛法「極楽育毛革命」
98条1項 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない。
98条2項 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
(1)形式的最高法規性(98条)
(a)意義
・形式的効力の点で憲法が、国法秩序において最高位にあること。硬性憲法であることから理論上当然に派生する。
(b)国法秩序の段階構造
・国法秩序は、形式的効力の点で、憲法→法律→命令(政令、府省令等)→処分(判決を含む)という順序で、段階構造をなしていると解されている。この構造は、動態的には上位の方は下位の法によって具体化され、静態的には、下位の法は上位の法に有効性の根拠を持つ関係として説明される(ケルゼンの法段階説)。具体的には、上位の法に抵触する内容の下位の法の効力は否定される。
(2)実質敵最高法規性(97条)
・最高法規としての憲法の本質は、憲法が実質的に法律と異なる点に求められる。つまり、憲法が最高法規であるのは、その内容が、人間の権利・自由をあらゆる国家権力から不可侵のものとして保障する規範を中心として構成されているからである。これは、
①「自由の基礎法」であることが憲法の最高法規性の実質的根拠であること、
②この「実質的最高法規性」は、形式的最高法規性の基礎をなし、憲法の最高法規性を真に支えるものであること、を意味する。
・97条は、硬性憲法の建前(96条)、憲法の形式的最高法規性(98条)の実質的な根拠を明らかにした規定である。
(3)憲法規範の価値序列
憲法の実質的最高法規性を重視する立場は、憲法規範を一つの価値秩序と捉え、「個人の尊重の原理」とそれに基づく人権の体系を憲法の根本規範と考えることになる。したがって、憲法規範の価値序列を当然に認めることになる。
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2011年2月13日日曜日
1-4 憲法の特質
1 自由の基本法
(1)近代憲法は、何よりもまず、自由の基礎法である。自由は立憲主義の根本的な目的であり価値である。
・このような自由の観念は、自然権の思想に基づく。この自然権を実定化した人権規定が、憲法の中核を構成する「根本規範」であり、この規範を支える核心的価値が人間の人格不可侵の原則(個人の尊重、個人の尊厳の原理)である。
<根本規範>
一切の実定法の最上位にあってその妥当性(通用力)の根拠となる、実定法として定立された法規範。それは、憲法が下位の法令の根拠となり、その内容を規律するのと同じように、憲法の根拠となり、またその内容を規律するものである。ケルゼンの言う根本規範(思惟の上で前提とされた規範を指す)とはことなる。
(2)憲法には、通常、立法権・司法権・行政権、及び憲法改正手続き等についての規定が設けられる。これらの国家権力の組織を定める規範(組織規範)や、それぞれの機関に国家作用を授権する規範(授権規範)も、近代憲法に不可欠のものと言える。しかし、これらは、より基本的な規範である人権規範に奉仕するものとして存在するのである。
2 制限規範性
(1)憲法が自由の基礎法であると言う事は、同時にそれによって憲法が何よりも権力を制限する基礎法(制限規範)であることを意味する。
(2)憲法は授権規範である。そこで、授権規範であると言う事の中には、制限規範であると言う事も含めれているとして、制限規範性を、憲法規範の独立の性質として論ずる必要はないとする見解もある。しかし、制限とは、権力が「することができないこと」を明らかにすることであり、「すべきこと」「しなければならないこと」「してもよいこと」を示すこととは異なる。よって、授権と制限とは区別して考えるべきである。
(3)自然権思想と国民の憲法制定権力の思想の関係
本来近代憲法は、全て個人はたがいに平等な存在であり、生まれながら自然権を有するものであることを前提として、それを実定化するという形で制定された。その基礎には、全ての価値の根源は個人にあるという思想がある。したがって、政治権力の究極の根拠も個人に存しなくてはならない。よって、憲法を実定化する主体は国民であり、国民が憲法制定の保持者であると考えられた。このように、自然権思想と国民の憲法制定権力の思想とは、不可分の関係にある。
<憲法制定権力>
憲法をつくり、拳法上の諸機関に権限を付与する権力。制憲権とも言う。18世紀末の市民革命時、特にアメリカ・フランスにおいて、国民主権を基礎づけ、近代立憲主義を制定する推進力として大きな役割を演じた。
(4)自然権思想と主権原理の関係
国民の憲法制定権力は、実定憲法においては「国民主権」として制度化されることになるので、人権規定は、主権原理とも不可分の関係にあることになる。
有末やよいのモテ男に代わる184の魔法
神崎奈々子の「シークレットモデルダイエット」
佐野正弥の育毛法「育毛の達人」
(1)近代憲法は、何よりもまず、自由の基礎法である。自由は立憲主義の根本的な目的であり価値である。
・このような自由の観念は、自然権の思想に基づく。この自然権を実定化した人権規定が、憲法の中核を構成する「根本規範」であり、この規範を支える核心的価値が人間の人格不可侵の原則(個人の尊重、個人の尊厳の原理)である。
<根本規範>
一切の実定法の最上位にあってその妥当性(通用力)の根拠となる、実定法として定立された法規範。それは、憲法が下位の法令の根拠となり、その内容を規律するのと同じように、憲法の根拠となり、またその内容を規律するものである。ケルゼンの言う根本規範(思惟の上で前提とされた規範を指す)とはことなる。
(2)憲法には、通常、立法権・司法権・行政権、及び憲法改正手続き等についての規定が設けられる。これらの国家権力の組織を定める規範(組織規範)や、それぞれの機関に国家作用を授権する規範(授権規範)も、近代憲法に不可欠のものと言える。しかし、これらは、より基本的な規範である人権規範に奉仕するものとして存在するのである。
2 制限規範性
(1)憲法が自由の基礎法であると言う事は、同時にそれによって憲法が何よりも権力を制限する基礎法(制限規範)であることを意味する。
(2)憲法は授権規範である。そこで、授権規範であると言う事の中には、制限規範であると言う事も含めれているとして、制限規範性を、憲法規範の独立の性質として論ずる必要はないとする見解もある。しかし、制限とは、権力が「することができないこと」を明らかにすることであり、「すべきこと」「しなければならないこと」「してもよいこと」を示すこととは異なる。よって、授権と制限とは区別して考えるべきである。
(3)自然権思想と国民の憲法制定権力の思想の関係
本来近代憲法は、全て個人はたがいに平等な存在であり、生まれながら自然権を有するものであることを前提として、それを実定化するという形で制定された。その基礎には、全ての価値の根源は個人にあるという思想がある。したがって、政治権力の究極の根拠も個人に存しなくてはならない。よって、憲法を実定化する主体は国民であり、国民が憲法制定の保持者であると考えられた。このように、自然権思想と国民の憲法制定権力の思想とは、不可分の関係にある。
<憲法制定権力>
憲法をつくり、拳法上の諸機関に権限を付与する権力。制憲権とも言う。18世紀末の市民革命時、特にアメリカ・フランスにおいて、国民主権を基礎づけ、近代立憲主義を制定する推進力として大きな役割を演じた。
(4)自然権思想と主権原理の関係
国民の憲法制定権力は、実定憲法においては「国民主権」として制度化されることになるので、人権規定は、主権原理とも不可分の関係にあることになる。
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2011年2月12日土曜日
1-3 憲法の分類
1 伝統的分類
(1)憲法の形式・性質・制定主体による分類
(a)憲法の形式による分類
・成文憲法:成分の法典が存在するもの。
・不成文憲法:成分の法典が存在しないもの。
(b)憲法の性質による分類
・軟性憲法:改正が単純多数決で成立する通常の立法と同じもの。
・硬性憲法:改正が通常の立法より難しく、特別多数決(3分の2、ないし5分の3)、又はそれに加えて国民投票を要件としているもの。
(c)憲法の制定主体による分類
・欽定憲法:君主によって制定されるもの。
・民定憲法:国民によって制定されるもの。
・協約憲法:君主と国民の合意によって制定されるもの。
→形式・性質・制定主体による分類は、必ずしも現実の憲法のあり方を実際に反映するものではない。例えば、イギリスには、単一の成文憲法は無いが、実質的に憲法に当たる事項は多数の法律で定められており、基本的な事項は、実際には容易に改正されない。これに対し、(b)の分類で硬性の程度が強い憲法でも、実際にはしばしば改正される国もある。
(2)国家形態による分類
(a)君主制下、共和制かによる区分。
(b)大統領制か、議院内閣制かによる区分。
(c)連邦国家か、単一国家かによる区分。
→これらも、憲法の分類自体としては、大きな意味はない。例えば、イギリスでは、君主制でも民主政治が確立しているが、共和制でも政治が非民主的な国は少なくないし、また、大統領制や議院内閣制と言っても、色々な形態があるからである。
<君主制>
①絶対君主制
②立憲君主制:君主の権能に制限が加えられる君主制。君主は単独では好意しえず、大臣の助言に基づくことを要し、大臣は不完全ながら議会のコントロールに服する。ex.明治憲法の天皇制
③議会君主制:君主に助言をする大臣が議会に政治責任を負うもの。ex.現在のイギリスの君主制
2 機能的分類
憲法が現実の政治過程において実際に持つ機能に着目した分類。
かかる存在論的な分類には、主観的な判断が入る可能性がある点で問題もあるが、立憲的意味の憲法がどの程度現実の国家生活において妥当しているのかを図るうえで有用である。
ex.レーベンシュタインの3類型
①規範的憲法:政治権力が憲法規範に適応し、服従しており、憲法がしれに関係するもの全てによって遵守されている場合。
②名目的憲法:成文憲法典は存在するが、それが現実に規範性を発揮しないで名目的に過ぎない場合。
③意味論的憲法:憲法そのものは完全に適用されていても、実際には現実の権力保持者が自己の利益のためにだけに既存の政治権力の配分を定型化したにすぎない場合。独裁国家や発展途上国に見られる。
小池幸二の世界最新ゴルフ理論
川村明宏のジニアス記憶術
菊田式しびれ改善10日間プログラム
(1)憲法の形式・性質・制定主体による分類
(a)憲法の形式による分類
・成文憲法:成分の法典が存在するもの。
・不成文憲法:成分の法典が存在しないもの。
(b)憲法の性質による分類
・軟性憲法:改正が単純多数決で成立する通常の立法と同じもの。
・硬性憲法:改正が通常の立法より難しく、特別多数決(3分の2、ないし5分の3)、又はそれに加えて国民投票を要件としているもの。
(c)憲法の制定主体による分類
・欽定憲法:君主によって制定されるもの。
・民定憲法:国民によって制定されるもの。
・協約憲法:君主と国民の合意によって制定されるもの。
→形式・性質・制定主体による分類は、必ずしも現実の憲法のあり方を実際に反映するものではない。例えば、イギリスには、単一の成文憲法は無いが、実質的に憲法に当たる事項は多数の法律で定められており、基本的な事項は、実際には容易に改正されない。これに対し、(b)の分類で硬性の程度が強い憲法でも、実際にはしばしば改正される国もある。
(2)国家形態による分類
(a)君主制下、共和制かによる区分。
(b)大統領制か、議院内閣制かによる区分。
(c)連邦国家か、単一国家かによる区分。
→これらも、憲法の分類自体としては、大きな意味はない。例えば、イギリスでは、君主制でも民主政治が確立しているが、共和制でも政治が非民主的な国は少なくないし、また、大統領制や議院内閣制と言っても、色々な形態があるからである。
<君主制>
①絶対君主制
②立憲君主制:君主の権能に制限が加えられる君主制。君主は単独では好意しえず、大臣の助言に基づくことを要し、大臣は不完全ながら議会のコントロールに服する。ex.明治憲法の天皇制
③議会君主制:君主に助言をする大臣が議会に政治責任を負うもの。ex.現在のイギリスの君主制
2 機能的分類
憲法が現実の政治過程において実際に持つ機能に着目した分類。
かかる存在論的な分類には、主観的な判断が入る可能性がある点で問題もあるが、立憲的意味の憲法がどの程度現実の国家生活において妥当しているのかを図るうえで有用である。
ex.レーベンシュタインの3類型
①規範的憲法:政治権力が憲法規範に適応し、服従しており、憲法がしれに関係するもの全てによって遵守されている場合。
②名目的憲法:成文憲法典は存在するが、それが現実に規範性を発揮しないで名目的に過ぎない場合。
③意味論的憲法:憲法そのものは完全に適用されていても、実際には現実の権力保持者が自己の利益のためにだけに既存の政治権力の配分を定型化したにすぎない場合。独裁国家や発展途上国に見られる。
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2011年2月11日金曜日
2 立憲的憲法の特色
(1)淵源
(a)中世における法優位の思想ないし根本法の観念
・中世法優位の思想:絶対的な君主(国王)も従わなければならない高次の法(根本法)があるという考え。近代立憲主義は、中世法優位の思想ないし中世根本法の観念に由来する。
・もっとも、中世の根本法は、貴族の特権の用語を内容とする封建的性格の強いものであった。
(b)近代自然法ないし自然権の思想の影響
・ロック・ルソーに代表される近代啓蒙期の思想によって説かれた、自然権の思想は、
①人間は生まれながらにして自由かつ平等であり、生来の権利(自然権)を持っている。
②その自然権を確実なものとするために社会契約を結び、政府に権力の行使を委任する。
③政府が権力を恣意的に行使して人民の権利を不当に制限する場合には、人民は政府に抵抗する権利を有する、とするものである。
・この、自然権→契約に基づく政府→抵抗権と言う三位一体の思想に基礎づけられて、中世の根本法は、広く国民の権利・自由の保障とそのための統治の基本原則を内容とする近代的な憲法へ発展した。
→このように、「統治に対する法的制限」とそれによる「権利自由の保障」を核心とする近代的意味の憲法は、中世の根本法思想から生成発展してきたものであり、その意味でこれを歴史的憲法概念と呼ぶことができる。
(2)立憲的憲法の形式と性質
(a)成文憲法
・立憲的憲法は、一般に、成文の形式を取る
・理由
①国家の根本的制度についての定めは文章化しておくべきである(成文法は慣習法に勝るという近代合理主義)。
②近代自然法学が説いた社会契約説の帰結
<社会契約説>
国家は自由な国民の社会契約によって組織され、その社会契約を具体化したものが根本契約たる憲法であるという考え方。この見解では、契約である以上、文書の形にすることが望ましいと言う事になる。
(b)硬性憲法
・立憲的憲法は、その性質においては、硬性であるのが普通である。
・理由:社会契約説の影響による。つまり、社会契約説からは、憲法によってつくられた権力である立法権は根本法たる憲法を改正することができず(それは国民のみに許される)、立法権は憲法に拘束される。したがって、憲法改正は特別の特別の手続きによって行わなければならない、と考えられた。
→ただし、イギリスでは、憲法典は存在せず、実質的意味の憲法は憲法慣習を除き法律で定められているので、通常の立法手続きで改正できる(軟性憲法)。
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(a)中世における法優位の思想ないし根本法の観念
・中世法優位の思想:絶対的な君主(国王)も従わなければならない高次の法(根本法)があるという考え。近代立憲主義は、中世法優位の思想ないし中世根本法の観念に由来する。
・もっとも、中世の根本法は、貴族の特権の用語を内容とする封建的性格の強いものであった。
(b)近代自然法ないし自然権の思想の影響
・ロック・ルソーに代表される近代啓蒙期の思想によって説かれた、自然権の思想は、
①人間は生まれながらにして自由かつ平等であり、生来の権利(自然権)を持っている。
②その自然権を確実なものとするために社会契約を結び、政府に権力の行使を委任する。
③政府が権力を恣意的に行使して人民の権利を不当に制限する場合には、人民は政府に抵抗する権利を有する、とするものである。
・この、自然権→契約に基づく政府→抵抗権と言う三位一体の思想に基礎づけられて、中世の根本法は、広く国民の権利・自由の保障とそのための統治の基本原則を内容とする近代的な憲法へ発展した。
→このように、「統治に対する法的制限」とそれによる「権利自由の保障」を核心とする近代的意味の憲法は、中世の根本法思想から生成発展してきたものであり、その意味でこれを歴史的憲法概念と呼ぶことができる。
(2)立憲的憲法の形式と性質
(a)成文憲法
・立憲的憲法は、一般に、成文の形式を取る
・理由
①国家の根本的制度についての定めは文章化しておくべきである(成文法は慣習法に勝るという近代合理主義)。
②近代自然法学が説いた社会契約説の帰結
<社会契約説>
国家は自由な国民の社会契約によって組織され、その社会契約を具体化したものが根本契約たる憲法であるという考え方。この見解では、契約である以上、文書の形にすることが望ましいと言う事になる。
(b)硬性憲法
・立憲的憲法は、その性質においては、硬性であるのが普通である。
・理由:社会契約説の影響による。つまり、社会契約説からは、憲法によってつくられた権力である立法権は根本法たる憲法を改正することができず(それは国民のみに許される)、立法権は憲法に拘束される。したがって、憲法改正は特別の特別の手続きによって行わなければならない、と考えられた。
→ただし、イギリスでは、憲法典は存在せず、実質的意味の憲法は憲法慣習を除き法律で定められているので、通常の立法手続きで改正できる(軟性憲法)。
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2011年2月10日木曜日
第1章 憲法と立憲主義
1-1 憲法とは
・「憲法」とは英仏語のconstitutionの訳語である。明治6年ごろから使われだしたと言われている。憲法という概念は、後で述べるように多義的に用いられるが、通常、国家と言う統治団体の存在を基礎づける基本法を言う。
・一定の限定された地域(領土)を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力を持つ統治権の元に法的に組織されるようになった社会を国家と呼ぶ(国家三要素説)。
したがって、領土と人と権力は、国家の三要素と呼ばれる。
・国家概念については、社会学的に見るか、法学的に見るか、政治学的に見るかによって、著しく異なる。前述した領土と人と権力の三要素からなる、というのは、社会学的国家論である。
なお、憲法学では、国家権力ないし権力の組織体を国家と呼ぶことも多い(ex.人権は「国家からの自由」であると言う場合の「国家」)
1-2 憲法の意味
1 形式的意味の憲法と実質的意味の憲法
憲法を勉強するには、まず、憲法とは何かを明らかにする必要がある。
(1)形式的意味の憲法
憲法という名前で呼ばれる成文の法典(憲法典)。内容がどのようなものであるかは問わない。
ex.現代日本の「日本国憲法」
(2)実質的意味の憲法
ある特定の内容を持った法。成文であると否とを問わない。次の二つのものがある。
①固有の意味の憲法
国家の統治の基本を定めた法としての憲法。国家には、必ず政治権力とそれを行使する機関が存在しなければならない。この機関、権力の組織と作用及び相互の関係を規律する規範が固有の意味の憲法である。この意味の憲法はいかなる時代のいかなる国家にも存在する。
②立憲的意味の憲法
自由主義に基づいて定められた国家の基礎法。「近代的意味の憲法」とも言われる。18世紀末の近代市民革命期に主張された、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障すると言う立憲主義の思想に基づく憲法である。この意味の憲法は、後述する通り歴史的な観念であり、その重要な狙いは、政治権力を制限して人権を保障することにある。憲法の最も優れた特徴は、立憲的意味にある。
ex.「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、全て憲法をもつものではない」(1789年フランス人権宣言16条)と言う時の「憲法」。
→憲法学の対象とする憲法とは、近代にいたって一定の政治的理念に基づいて制定された憲法 であり、国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法(立憲的意味の憲法)である。
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・「憲法」とは英仏語のconstitutionの訳語である。明治6年ごろから使われだしたと言われている。憲法という概念は、後で述べるように多義的に用いられるが、通常、国家と言う統治団体の存在を基礎づける基本法を言う。
・一定の限定された地域(領土)を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力を持つ統治権の元に法的に組織されるようになった社会を国家と呼ぶ(国家三要素説)。
したがって、領土と人と権力は、国家の三要素と呼ばれる。
・国家概念については、社会学的に見るか、法学的に見るか、政治学的に見るかによって、著しく異なる。前述した領土と人と権力の三要素からなる、というのは、社会学的国家論である。
なお、憲法学では、国家権力ないし権力の組織体を国家と呼ぶことも多い(ex.人権は「国家からの自由」であると言う場合の「国家」)
1-2 憲法の意味
1 形式的意味の憲法と実質的意味の憲法
憲法を勉強するには、まず、憲法とは何かを明らかにする必要がある。
(1)形式的意味の憲法
憲法という名前で呼ばれる成文の法典(憲法典)。内容がどのようなものであるかは問わない。
ex.現代日本の「日本国憲法」
(2)実質的意味の憲法
ある特定の内容を持った法。成文であると否とを問わない。次の二つのものがある。
①固有の意味の憲法
国家の統治の基本を定めた法としての憲法。国家には、必ず政治権力とそれを行使する機関が存在しなければならない。この機関、権力の組織と作用及び相互の関係を規律する規範が固有の意味の憲法である。この意味の憲法はいかなる時代のいかなる国家にも存在する。
②立憲的意味の憲法
自由主義に基づいて定められた国家の基礎法。「近代的意味の憲法」とも言われる。18世紀末の近代市民革命期に主張された、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障すると言う立憲主義の思想に基づく憲法である。この意味の憲法は、後述する通り歴史的な観念であり、その重要な狙いは、政治権力を制限して人権を保障することにある。憲法の最も優れた特徴は、立憲的意味にある。
ex.「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、全て憲法をもつものではない」(1789年フランス人権宣言16条)と言う時の「憲法」。
→憲法学の対象とする憲法とは、近代にいたって一定の政治的理念に基づいて制定された憲法 であり、国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法(立憲的意味の憲法)である。
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