2011年2月10日木曜日

第1章 憲法と立憲主義

1-1 憲法とは

・「憲法」とは英仏語のconstitutionの訳語である。明治6年ごろから使われだしたと言われている。憲法という概念は、後で述べるように多義的に用いられるが、通常、国家と言う統治団体の存在を基礎づける基本法を言う。
・一定の限定された地域(領土)を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力を持つ統治権の元に法的に組織されるようになった社会を国家と呼ぶ(国家三要素説)。
したがって、領土と人と権力は、国家の三要素と呼ばれる。
・国家概念については、社会学的に見るか、法学的に見るか、政治学的に見るかによって、著しく異なる。前述した領土と人と権力の三要素からなる、というのは、社会学的国家論である。
なお、憲法学では、国家権力ないし権力の組織体を国家と呼ぶことも多い(ex.人権は「国家からの自由」であると言う場合の「国家」)


1-2 憲法の意味

1 形式的意味の憲法と実質的意味の憲法
憲法を勉強するには、まず、憲法とは何かを明らかにする必要がある。

(1)形式的意味の憲法
憲法という名前で呼ばれる成文の法典(憲法典)。内容がどのようなものであるかは問わない。
ex.現代日本の「日本国憲法」

(2)実質的意味の憲法
ある特定の内容を持った法。成文であると否とを問わない。次の二つのものがある。
①固有の意味の憲法
国家の統治の基本を定めた法としての憲法。国家には、必ず政治権力とそれを行使する機関が存在しなければならない。この機関、権力の組織と作用及び相互の関係を規律する規範が固有の意味の憲法である。この意味の憲法はいかなる時代のいかなる国家にも存在する。
②立憲的意味の憲法
自由主義に基づいて定められた国家の基礎法。「近代的意味の憲法」とも言われる。18世紀末の近代市民革命期に主張された、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障すると言う立憲主義の思想に基づく憲法である。この意味の憲法は、後述する通り歴史的な観念であり、その重要な狙いは、政治権力を制限して人権を保障することにある。憲法の最も優れた特徴は、立憲的意味にある。
ex.「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、全て憲法をもつものではない」(1789年フランス人権宣言16条)と言う時の「憲法」。
→憲法学の対象とする憲法とは、近代にいたって一定の政治的理念に基づいて制定された憲法 であり、国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法(立憲的意味の憲法)である。




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