2011年2月12日土曜日

1-3 憲法の分類

1 伝統的分類
(1)憲法の形式・性質・制定主体による分類
(a)憲法の形式による分類
・成文憲法:成分の法典が存在するもの。
・不成文憲法:成分の法典が存在しないもの。
(b)憲法の性質による分類
・軟性憲法:改正が単純多数決で成立する通常の立法と同じもの。
・硬性憲法:改正が通常の立法より難しく、特別多数決(3分の2、ないし5分の3)、又はそれに加えて国民投票を要件としているもの。
(c)憲法の制定主体による分類
・欽定憲法:君主によって制定されるもの。
・民定憲法:国民によって制定されるもの。
・協約憲法:君主と国民の合意によって制定されるもの。
→形式・性質・制定主体による分類は、必ずしも現実の憲法のあり方を実際に反映するものではない。例えば、イギリスには、単一の成文憲法は無いが、実質的に憲法に当たる事項は多数の法律で定められており、基本的な事項は、実際には容易に改正されない。これに対し、(b)の分類で硬性の程度が強い憲法でも、実際にはしばしば改正される国もある。

(2)国家形態による分類
(a)君主制下、共和制かによる区分。
(b)大統領制か、議院内閣制かによる区分。
(c)連邦国家か、単一国家かによる区分。
→これらも、憲法の分類自体としては、大きな意味はない。例えば、イギリスでは、君主制でも民主政治が確立しているが、共和制でも政治が非民主的な国は少なくないし、また、大統領制や議院内閣制と言っても、色々な形態があるからである。
<君主制>
①絶対君主制
②立憲君主制:君主の権能に制限が加えられる君主制。君主は単独では好意しえず、大臣の助言に基づくことを要し、大臣は不完全ながら議会のコントロールに服する。ex.明治憲法の天皇制
③議会君主制:君主に助言をする大臣が議会に政治責任を負うもの。ex.現在のイギリスの君主制


2 機能的分類
憲法が現実の政治過程において実際に持つ機能に着目した分類。
かかる存在論的な分類には、主観的な判断が入る可能性がある点で問題もあるが、立憲的意味の憲法がどの程度現実の国家生活において妥当しているのかを図るうえで有用である。
ex.レーベンシュタインの3類型
①規範的憲法:政治権力が憲法規範に適応し、服従しており、憲法がしれに関係するもの全てによって遵守されている場合。
②名目的憲法:成文憲法典は存在するが、それが現実に規範性を発揮しないで名目的に過ぎない場合。
③意味論的憲法:憲法そのものは完全に適用されていても、実際には現実の権力保持者が自己の利益のためにだけに既存の政治権力の配分を定型化したにすぎない場合。独裁国家や発展途上国に見られる。



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